伊那市文化会館で藻谷浩介さんの講演を聴いてきました。

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藻谷浩介さんの講演は飯田市でも聴いたことがあるのですが、とにかくデーターに基づき話をされるので疑いを持つと言うことがありません。
 
前回聞いた時には、講演資料を印刷して配布してくれたので帰ってきてじっくり見れたのですが、今回は講演資料の配布が無かったので、忘れないうちに主要なところだけ書き残しておこうと思います。
 
まず、各種指標で比較すると、伊那市は東京や名古屋、大阪と比べて負けていないこと。確かに伊那市市内だけを見るとシャッターが降りたお店が多くとても元気があるという感じはしないのですが、郊外では造成された工場団地の半分ぐらいは埋まって、国道沿いでは、隣の箕輪村など商店がどんどん出来て、すごいなあと驚きます。しかしこれが仇になっているとのこと。
 
人口、売上高は横ばいなのに売り場面積が増えているので、売り場単位面積当たりの売り上げが増えていない。それで景気が悪いと感じるのですが、他の都道府県ではこんなものではなく悲惨と言うことです。
 
将来を考えた時には、伊那市周辺の高齢化率が極めて低く、これは団塊の世代が都会に出て行ってしまったが戻ってこないと言うことだとのこと。
 
数十年先を見たとき、商売の対象年齢をしっかりつかんでおくと言うことは大事だ。
 
一億円以上の資産を持っているのは60歳以上の人が多く、総人口の1%程度であるが、この人たちがお金を使ってもらうことが重要。
 
テレビなどでコメンテータや司会者が言っていることを信じてはいけない。彼らは録画前の雑談時にはよく勉強しておりそれなりのことを言うのだが、いざ本番になると、くるっと違うことを言う。何らかの力が働いているのかもしれない。
 
その他いっぱい話されたのですが、記憶に残っているのは、街を活性化するためには、行政側が仕掛けるのではなく、雨の後のたけのこがにょきにょき出てくるように市民がやりたいことをどしどしやってみて、行政が黒子でそれらを支援する。
 
その中から、人が集まって来るものが出てくるのでそれが市民の求めているものだと言うことになる。行政はそう言うことが出来る人材を育成することが必要。
 
第2部はパネルディスカッションで、パネリストとして伊那市長の白鳥孝氏、カンテンパパ会長の塚越寛氏、伊那商工会議所会頭の向山公人氏、コーディネーター鬼沢眞人氏でしたが、おかしいなと思ったのはえらいオープンなのです。この人たちはいわゆる伊那市を代表するような年齢の人たちで飯田市のこの年齢の人たちとは違うのです。こう言う場だったので表面的にオープンを装ったのかその辺は判りませんが、もし日常からこうだったとしたら、伊那市が東京や名古屋、大阪を上回る成果を上げていることに納得がいくのですが。
 
第3部は公開セミナーで、「未来に向けて始動」と言う内容で、慰安し近辺の若手指導者がセミナーをしたのですが、私はこの後母の元に行き、図書館の返却時期が来ている本を辰野図書館に持っていかねばならないので会場を後にしましたが、伊那市周辺はとにかく元気があります。私の今後にもとても勉強になりました。
 
 
 
なお、開演に先立って、松本だかの炭焼き職人と称する人が福島に応援に行き知ったこととして、退職した60歳以上の技術屋さんの集団がボランティアで原発現場で支援活動。若い者は子育て、子供を生むと言う別の仕事があり、原発被爆の危険があるところで働くのは定年過ぎの我々でよい。被爆量の制限のため20分とかそんな時間で復旧作業など出来ない。3時間とか4時間と言う連続した時間の作業が必要だと言うことです。しかしこんなことも巨大マスコミは報道しないのですね。
 
 
以上の話しは私の記憶に残っていた内容を忘れないため書き残したものですので、今日主催者の伊那青年会議所に講演資料をもらえないかお聞きして、もらえたら資料に基づき詳細をご紹介したいと思います。