日本を捨てるような企業に明日はない。

かざこし
日本が戦後急速に復興できたのは、戦争から帰ってきた多くの兵士が戦後の廃墟からなんとしても生き延びるために良質の労働力としてせっせと働き、国としても軍隊がなくなって税金を軍事のためでなく産業復活、国民生活向上のために使えるようになったことが大きいと思います。

もし北朝鮮のように軍事力増強と言ったような政策を取っていたら、今の日本は無かったと思います。国力の基本は人ですから、民生安定のおかげで、学校教育は戦前の尋常小学校だけでなく、高等学校までは一般的となり、意欲があれば大学も夢ではなくなり、私のような親が炭焼きであっても、曲りなりに大学までいけて都会の製造会社で働けるようになり、人の教育に力を入れたおかげで、日本は瞬く間に世界でも驚くほどの戦後の復興が出来たわけです。

しかしそれが、自民党政権の終焉の頃から教育費の低減と言うことで教育を疎かにしだして、最近の学業レベルは大きく低下しまたもや問題になっています。

そのためもあって、新興国の追い上げが激しくなってくるとさらにその上を行く生産技術力の推進や、新しいニーズやシーズの発掘による世界で初めてという新規製品の開発が出来ず、人件費の安い諸国に進出と言うか逃げの一手で日本を逃げ出す会社がたくさん出始めたのだと思います。

ですが、先に書いたように日本の戦後の荒廃から立ち上がりが早かったことは、日本人の真面目さや先が見えれば必死に頑張ると言う特性によるところも多く、また困窮してくれば必死に頑張ると言う性格が働いてくると思います。

今、円が急上昇して海外に逃げ出す企業の場合、行った先が力をつけてきたら、日本人は邪魔な存在になりますから、いずれは追い出されるでしょう。

そうなった時、日本に戻ろうとしても、先を見ない考え抜くことを放棄したようないい加減な会社に優秀な人間は就職してくれないでしょう。もし働いてくれる人がいても、この会社にどこまで賭けて良いものか躊躇しながら働き精一杯働いてはくれないでしょう。苦しくても日本にとどまり、頭から汗を出すほど考え抜き対策を考え出して、生産技術力の革新で従来製品の生き残りや、新しい製品の開発をして、それらのノウハウを残し、更なる発展にかけてくれるような会社、従業員を大切にして路頭に迷わせない会社、こういう会社なら優秀な人達が期待をかけて就職してくれると思います。

このような会社で働く親を見て育った多くの子供たちは、社会に出た時必死で頭から汗をかくほど働くことが、自分たちや自分たちの子供のためにもどれほど大切かと言うことを理解して働いてくれると思います。

まあそうは言いましても、海外に出て行くと言うことは、円を売ってドルを買うことになるので、民間による円高防止には役立つということから全く役立たないわけでもありませんが。ただその会社の未来は暗いものになると言うことは言えそうです。